【福島】県林業研究センター(郡山市)は、2年前の台風で倒れた小野町の天然記念物「観音桜」から再生した苗木の育成に成功した。2年後には植樹ができる大きさに育つ見込みで、町は地域住民が大切にしてきた名木の復活に期待を膨らませている。【坂本智尚】
◇小野町長「観音様の御利益」
観音桜は推定樹齢550年、エドヒガン系のしだれ桜で高さ約12メートル、枝幅約30メートルの巨木だった。観音像を本尊とする同町小戸神の古刹(こさつ)・東堂山満福寺の参道入り口付近にそびえ、大蛇のようにうねった枝ぶりで、スケッチや写真の愛好家らに知られていた。
しかし、07年7月の台風4号で根元から折れ、伐採された。倒木直後、同センターが枝30本を挿し木として再生を試みたが全滅。あきらめかけたが、昨年5月、宍戸良三町長が現地に放置されていた幹から新しい芽が吹いているのを発見。再び同センターに依頼し、芽を採取して1年がかりで10?30センチの苗木15本を育てた。
同センターによると、枯死した桜の幹から萌芽することは珍しく、新芽を苗木に育てるのも難しい技術が必要という。幹があった場所が日陰のため水分を失わず、幹内部に養分が蓄えられていたことが奇跡的な発芽につながったとみられる。
宍戸町長は「まさに観音様の御利益」と大喜び。「苗木を大切に育て、観音桜の子孫たちで並木をつくりたい」と夢見ている。
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