ミツバチが大量に失踪(しっそう)して果物の受粉などに影響が懸念される中で、その原因ともされる農薬や害虫に強い、在来種のニホンミツバチを冷涼な長野の高原で育てる「ニホンミツバチ飼育プロジェクト」が近く始まる。失踪している外来種のセイヨウミツバチは飼育用に改良されており、日本の自然に強い在来種を見直して繁殖を促すことで、ミツバチ不足を補おうという試みだ。
このプロジェクトを計画しているのは、農業関連書籍を出版する「農山漁村文化協会」(農文協)と、岩手県の養蜂(ようほう)家で東京農業大学客員教授の藤原誠太さん。
藤原さんによると、養蜂家が通常のはちみつ採取に使うセイヨウミツバチは、品種改良を重ねたことで大量にミツを集めることができるが、昨年以降、各地で原因不明の失踪(または大量死)を遂げている。
一方、在来種のニホンミツバチは嗅覚(きゅうかく)が鋭いので化学物質をかぎ分けるほか、害虫や寒さにも強いのが特徴。しかし、これまでは生態に適した飼い方がほとんど研究されておらず、自然巣を壊してはちみつを採る以外、養蜂向けにほとんど用いられていないのが現状だ。
セイヨウミツバチが大量に失踪し、ニホンミツバチへの期待が高まったため、農文協が長野県小谷(おたり)村栂池(つがいけ)高原で所有する学習センターに専用養蜂場を設け、藤原さんが技術指導する形でニホンミツバチを飼育することにした。
今年度は10月ごろまでに5群(1群=1万?数万匹の働きバチの群れ)程度のニホンミツバチを飼育し、順次増やしていく。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090810-00000626-san-bus_all
